治験について
治験(ちけん)とは
当院は平成18年から新薬の開発に携わっており、これまで内科、整形外科、麻酔科、産婦人科、血管外科、眼科で、各種の病気を対象とした治験に取り組んでいます。
現在実施中の治験(令和3年7月1日現在)
対象疾患 | 実施診療科 | 募集状況 |
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高コレステロール血症 | 循環器内科 | なし |
肺MAC | 呼吸器感染症内科 | なし |
市中肺炎 | 呼吸器感染症内科 | なし |
薬は、私たちの病気・けがの治療、またその予防にとても大切なものです。
ここでは、新しい薬が誕生するまでの過程をご紹介します。
まず、化学物質や微生物から薬になりそうな物質を見つけます。次に、動物で薬として有効か、安全かを確かめます。しかし、人間と動物とは体の仕組みや構造が異なるため、動物での結果をそのまま人間にあてはめることはできません。そのため、倫理的かつ科学的な手法で人間を対象とした試験(治験)を実施する必要があります。
新薬誕生までの過程
基礎研究 | 2~3年 | 数百万個の中から薬になりそうな物質を見つけます |
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非臨床試験 | 3~5年 | 有効性や安全性を動物で確かめます |
治験【第I相試験】 | 3~7年 | 健康な成人の方を対象に人での体内動態や安全性を確かめます |
治験【第II相試験】 | 少数の患者さんを対象に有効性や安全性を確かめ、用法・用量を決定します | |
治験【第III相試験】 | 多くの患者さんを対象に有効性や安全性を確認します | |
承認審査 | 1~2年 | 厚生労働省へこれらの結果を提出し、薬として認めるかどうか厳しい審査を受けます |
承認審査 | 長い年月をかけて、ようやく新しい薬が誕生します |
3~7年ほどのうちに何度か治験を行い、患者の治療でも有効か、安全かを確かめ、その結果を国が厳しく審査します。晴れて国に承認されれば、多くの患者さんが新薬を使用できるようになります。
新薬開発成功の確率は、わずか2万分の1と言われており、費用は1つの薬につき少なくとも100~200億円かかっています。